JDAを実装するということ
JDAの実装は、単にAI機能を追加することではない。
判断が実行され、記録され、評価され、学習できる構造を作ることである。
Methodでは実装工程の流れを説明した。
このページでは、JDAを実際に導入・実装する際の考え方や実装原則を整理していく。
※ 本ページは継続的に更新される実装ガイドである。
最初から全部作らない
JDAでは、まず Judgement Slice から始める。
Judgement Sliceとは、重要なJP(Judgement Point)をひとつ選び、その前後の業務だけを対象に小さく実装する考え方である。
まずは一部の判断を動かし、JLogとVLogを取得できる状態を作る。
その後、対象範囲を徐々に拡張していく。
既存業務と接続する
JDAは、既存システムをすべて作り直すことを前提としない。
Excel、メール、既存DB、業務システムなどをブリッジとして活用しながら段階的に導入する。
AIは判断材料から使う
最初からAIへ判断を委譲する必要はない。
まずは、
- 類似案件の提示
- 過去判断の提示
- 不足情報の抽出
- 判断理由入力の補助
など、判断材料の支援から始める。
JLogを残す
判断結果だけではなく、判断理由も記録する。
なぜその判断を行ったのかが残らなければ、組織は学習できない。
VLogを取得する
Learningの前提は、VLogを継続的に取得できる状態を作ることである。
JDAでは、この段階を Validity Capture と呼ぶ。
判断が正しかったかどうかは、判断時には分からない。
そのため、判断後の結果を継続的に取得し、その判断が妥当だったかを評価できる仕組みを設計する必要がある。
Validity Capture が成立して初めて、Judgement Assistance、Judgement Reproduction、Judgement Delegation へ進むことができる。
人間の責任を残す
JDAは、AIにすべてを任せるための理論ではない。
誰が判断し、誰が責任を持つのかを明確にしながら、人とAIが協働できる構造を作る。
AIが判断材料を提示する場合でも、最終的な判断主体と責任者を曖昧にしないことが重要である。
実装はLearningの入口である
JDAにおける実装は完成ではない。
実装によってJLogとVLogが蓄積され、Learning Cycleが始まる。
JDAでは、
Validity Capture
↓
Judgement Assistance
↓
Judgement Reproduction
↓
Judgement Delegation
という段階を通じて、判断支援の精度を高めていく。
実装はゴールではなく、組織が判断を学習し続けるための出発点である。
詳細仕様について
このページでは、JDA実装の基本原則を説明した。
Judgement Harness、Judgement Injection、JLog / VLog、Learning Cycle などの詳細仕様については、GitHubで公開しているJDA CoreおよびMethodを参照してほしい。
JDAは現在も実証と改善を継続しており、本ページも実装知見に合わせて更新される。